
※2012年12月時点
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整体師として独立・開業したさいに注意すべきリスクについて解説していきます。
整体院を経営するにあたって、患者からのクレームや、施術による事故などには、リスクマネジメントをしておきましょう。
人間を相手にするサービス業では、すべての患者を満足させることは難しいでしょう。とくに今の時代では、一人の患者とのちょっとした行き違いは、ネットの口コミ情報などであっという間に広まってしまうこともありえます。
クレームをなくす万能の対策はありません。しかし、施術と接客の両方の質を高めることで、最小限に抑制することはできるのです。
万が一の施術によって引き起こされる事故については、整体施術に関する保険への加入をおすすめします。
これは損害保険の一種で、施術中のケガ、術後の容態急変、施術中に預かった患者の所持品を誤って壊してしまった場合などに適用されるものです。
プロの整体師としてお客様に対する以上、こうした万全の備えをしておくことも大切です。
クレームや事故を減らすための対処として、中長期的に心掛けたいのは、独立・開業後でも最新の整体技術を勉強し続けるということです。
かつては正しいとされた技術も、数年後には改訂されているケースは少なからずあります。整体師として、常に新しい技術や知識を身につける努力をしておきましょう。
スキルアップや業界動向のチェックを怠らないようにすることで、結果的にクレームや事故の確率を減らすことにもつながります。
整体スクールによっては、卒業生向けのセミナーや勉強会を実施しているところもあるので、入学の際にはこういった特長を視野に入れておくのもいいでしょう。
独立・開業を支援してくれるスクールでは、上で紹介した施術者保険の紹介も含めて、卒業生の交流などをサポートしてくれるところも少なくありません。
整体師として独立開業できたとしても、「夢が叶った」と言えるわけではありません。独立開業後にきちんと利益を出し、整体師としての仕事を続けていけることが何より重要になります。
そのためには、「より良い状態のキャッシュフローを作り上げていくことを考える」ということが不可欠な要素となってきます。
キャッシュフローとは、簡単に言えば「お金の流れ」のことです。一定期間のうちに、どれだけお金が入り(キャッシュイン)、どれだけお金が出たか(キャッシュアウト)を計算し、キャッシュインからキャッシュアウトを差し引いたものが、キャッシュフローとなります。
キャッシュフローがプラスなら黒字、マイナスなら赤字で、整体院の家計簿のようなイメージです。
開業直後は、これからキャッシュフローを増やしていくことになりますので、まずはシミュレーションから始めていくのがおすすめです。
もちろん、最初から「大繁盛の整体院にする」という夢は非現実的ですから、夢物語みたいなキャッシュフローシミュレーションをしても意味がありません。
シミュレーションにおいては、キャッシュインをあくまで現実的かつ多少控えめ、と思える数字に想定した上で、キャッシュアウトとのバランスをシミュレーションしていきましょう。
たとえシミュレーション上であってもキャッシュアウトの中身をしっかり認識することで、「これはちょっと支出が多すぎる」など、無駄な支出・過剰な支出の抑制・防止に役立つのが大きなメリットです。
キャッシュアウトが過剰に先行してしまうと、どうしても経営が難しくなります。キャッシュフローを増やして良くするためには、「できるだけ早い段階で、多くのキャッシュインを得る」ということが大切です。
キャッシュインを早く得るためにおすすめなのが、初回割引サービスの実施や、回数券販売などの工夫です。
広告宣伝の際のチラシや名刺、ホームページ等に、初回割引のクーポンをつけるなどをし、まずは多少薄利でもいいので多くのお客様に来てもらいましょう。これは、単にキャッシュインの獲得につながるだけでなく、お客様にとっては料金の安さにより、初回来院のハードルが下がるということにもつながります。
「整体師の腕も何もまだ分からない新しい整体院に、いきなり5000円は払えない」と考える人は多いですが、初回のお試し価格があれば「このぐらいの価格なら試してもいいか」と思ってもらいやすいのです。
そして回数券は、たとえば「5回分の料金で6回分使える」「回数に応じて2~3割引相当額で回数券を販売」などという形にするのがおすすめです。
こうすれば、お客様にとってはお得感が高まりますし、整体師にとっても「一気に大きなキャッシュインが前倒しで得られる」というだけでなく「回数券があるからここを使おう」という考え方がお客様側で生まれるため、リピーターの確保ができる強みもあります。
回数券にはなるべく有効期限をつけておきましょう。これにより、期限内に使い切らなければ、という意識を持ってもらえるので、リピートの頻度もある程度把握できるようになります。
当然ですが、初回割引や回数券でポンと入ったキャッシュインがあるからと言って、無駄遣いするとその後苦しくなりますので注意しましょう。
また、「初回割引は利益が薄くともやむなし」という考えもありますが、通常価格は、回数券などによる割引価格を前提とした上で考えましょう。「この通常価格では、回数券などで割引すると苦しくなってしまう」という状況で、やはりいずれは経営が苦しくなってしまう可能性が高いです。
それに、回数券販売をする場合は、お客様側から見れば「金額が高いから、クレジットカード払いができれば理想的」と言えますが、クレジットカード払いはキャッシュインのタイミングが現金払いよりも遅くなる上に、決済手数料というキャッシュアウトも発生する、という点を考慮しておく必要があります。
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「整体師になれるスクール特選サイト」は2012年12月時点の調査を元に作成したものです。
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